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とろとろとむしばむあまいゆううつをかじる。 ひとつ。ふたつ。みっつ。 なんにもたべない。 かわりに、ゆううつをいただく。 よっつ。いつつ。むっつ。 吐くものももうみあたらないのに気分がわるいから、せめてあまいものをいただこうと。 かじるゆううつは、あまくておいしい。 できるだけできるだけ、自分のからだの中にはあんまりものをいれておきたくないけれど。 しかたがないから、ゆううつをいただく。 ななつ、やっつ、ここのつ。 かくざとうを舌先でころがすように。 麦畑色のあのことキスするように。 ゆううつをいただく。 とろとろとくちびるにたれてきて。 ころころと舌でころがす。 気分がわるいからゆううつをいただこうと。 ここのつ、ここのつ、ここのつ、とお。 最後の憂鬱を咀嚼し終えてリトアニアは真冬のバルト海へと踏み出した。 ざぱん。波の音。 |