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体中の酷い違和感で目が醒めた。 両腕が、足が、背が、むずがゆいようななにもないようなもどかしさで疼く。 枕もとの時計は午前四時を指していて、目覚めてしまうにはまだ早い。 どうにかしてみようと何度も寝返りを打ったりしてみるけれど効果はなく、仕方ないのでするりとベッドから抜け出た。 気休めにはなるかと水差から水を飲んでみるけれど何にもならない。 そうなってしまうともうどうしようもなく、室内履きでぺたぺたとそこら中を歩いて紛らわせるのみだ。 無意識のうちにがりがりと両腕や首を掻いてしまい、赤っぽい蚯蚓腫れの跡が何本も残る。 「……ポーランド?」 名を呼ばれてぱっと振り返る。 熟睡していたはずのリトアニアが状態を起こし、ぼんやりとした目でポーランドを見ていた。 寝ぼけているのだろう、焦点はあまり合っていない。 「リト、悪い…起こしたし」 茶色の癖毛をくしゃりと撫でると、リトアニアは目覚めているときには見られないほど素直にふにゃりと笑った。 完全に寝ぼけている。 彼は苦労性ではあるが、この寝つきの良さはうらやましいくらいだ。 ポーランドはというと何度も寝返りを繰り返してやっと眠れる寝つきの悪さで、寝起きも良くない。 目覚し時計では絶対に起きられないのでリトアニアがいなければ昼までだって眠っていられるだろう。 「ポーランド」 すっと両腕が伸びてきて、しなやかに首に回される。 何事かと身構えると引き寄せられて、そのままキスされた。 あっけに取られるポーランドの唇はぴちゃぴちゃと子犬のように舐められる。 「おまじない……おやすみ」 惚けた声のまま言われて、そのままの体勢でリトアニアは落ちた。 規則正しい寝息が聞こえてくる。 対するポーランドはというと、先ほどまでの不快感も中途半端に残った眠気も何もかも吹き飛んで、ただひたすらうるさい心臓の相手で必死だった。 とりあえず上掛けをかぶっていないリトアニアをこのままにしておくわけにはいかないと、再びベッドに潜り込んで抱きつかれたまま横になる。 眠っているリトアニアは至極幸せそうで、寝言も言わずに熟睡している彼を眺めていたらなんだか眠たくなってきて、いつのまにかポーランドも眠りの世界へと旅立っていた。 |