オレがトーリスのご主人様! 白昼堂々編


 リトアニアは困っていた。
ストイックなまでに肌の見えないメイド服の下で腰が酷く痛む。
寝間着を届けただけのつもりがなし崩しに事に持ち込まれ、何度もいいように追い立てられたのが昨夜の話。
夜な夜な求められては昼間の仕事もままならず、同僚のエストニアとラトビアに迷惑をかけてしまう。
 今日も書斎の掃除をしているけれど、上段にはたきをかけようと伸びあがるたびにずきりと痛んで仕方がない。
何とかしないと本当に仕事ができなくなる。
「本当にもう、ポーランドは……」
「俺がどうかしたん?」
 予想だにせず声をかけられ、リトアニアははたきを取り落とした。
「ポーランド!どうしたの?」
 いつの間にか書斎の扉にもたれていたポーランドに驚きを隠せない。
とりあえずはたきを拾おうとしゃがみこむと、腰に鋭い痛みが走ってその場にしりもちをついた。
内臓の奥まで響いて顔をしかめる。
あまりに響く痛みにすぐには動けないでいると、ポーランドが心配そうに近づいてくる。
「どうしたん、リト」
 しゃがんで目線を合わせられ、思わず顔が赤くなる。
「ね、ポーランド……」
「何?」
「あの、あんまりね、夜……しないでほしいんだけど……」
「どうして?」
 無邪気に首を傾げるポーランドにいたたまれなくなってリトアニアは俯く。
「昼間に仕事、できなくなっちゃうでしょ…?」
「どういう風に?」
「腰が、痛くて……ポーランドの入ってたとこ、とかも、」
「入ってる感じ、まだするん?」
「しない、けど……でも、なんか変……」
 答えてゆくうちに、リトアニアの体が熱くほてる。
ポーランドにその気がないのはこちらを見つめる愛らしい瞳でわかるのだけれど、訊いてくる内容はありありと情事を思い起こされるものばかりで。
夕べ散々慣らされた後ろが疼く。
「あ、あのねポーランド……」
「リト、したいん?」
 唐突に言われてリトアニアは言葉に詰まった。
したいかと訊かれれば、曲がりにも仕事中であるのだしハウスキーパーという職の手前イエスとは答えられない。
けれどしようと強く迫られたら拒める気がしないのもまた事実だった。
「あ、あの……」
 返事をしかねておろおろしていると、ポーランドに腕を引かれた。
引かれるままに立ち上がると、部屋の奥にあるワーキングチェアに座らされる。
ポーランドは書斎で本を読まないから使われていないが、重厚な木のデスクと合わせてリトアニアが毎日手入れをしているので埃一つない。
「ポーランドルール発動」
 見上げたポーランドはいつもより凛とした様子で、リトアニアは浅い息を繰り返した。
愛らしい顔は精悍さを増していて、妙にどきどきする。
「ここでするし」
 一方的に宣言されて口づけられても抵抗できない。
体はもう熱く、ぺろぺろとなめられるだけで昨夜の情交を思い出してしまう。
手早くメイドドレスのボタンを外されるけれど肘の中頃までしか脱がさないのは真昼だということを慮ってか。
 夜よりは少しだけ性急に、ポーランドはリトアニアの首筋を辿って肩にいくつも痕を残す。
エプロンで隠れない胸の上から二の腕まで、満遍なくなめられて花を咲かされた。
「ポーランド、駄目……」
 制止しようとポーランドの肩を押すけれど、いつもとは違う体勢で覆いかぶさるようにされていてはうまくいかない。
元よりリトアニアの反抗は弱々しかった。
「何がだめなん」
 上から覗き込むように見つめられてリトアニアの心臓が跳ねる。
座っているせいかいつもよりポーランドが大きく見えてしまい、縋りつきたくなるのを必死で抑えた。
「エストニアが……掃除の分担が終わったら来ちゃう………それにラトビアも、いつ俺のところに来るかわからないし、」
 ハウスキーパーの中で最も年長のリトアニアは自然メイド長のようなポジションに就きつつある。
昼間に一人で仕事をしていてもエストニアが仕事を終えて報告に来たり、こまごました質問を抱えたラトビアが訪ねてくるのはよくあることだった。
ましてや今は午後2時を少し回ったところだ。
リトアニアを含んだハウスキーパーたちはおやつを欠かさない主人のためにと3時までには仕事を終わらせるようにしている。
彼らの訪問はいつあるともしれなかった。
「そんなら早く済ませばいいし」
「えっ…!?」
 ポーランドは言うが早いかしゃがみこみ、リトアニアの長いスカートをまくりあげた。
おかげでチェアに浅くもたれているリトアニアからはたくしあげられたスカートとポーランドの頭しか見えなくなってしまう。
「やっ!」
 急に下着越しの熱を撫で上げられて悲鳴が上がった。
次に備える暇もなく下着をずらされ、直接咥え込まれる。
ポーランドの口内は熱く、くびれや先端をべろりとなめられると腰が震えた。
力が抜けて体がずり落ちそうになるけれどポーランドが留めてくれる。
しかし安心する間もなく、腰が浮いてあらわになった秘所に指先を入れられた。
夜に散々慣らされたおかげか先だけはするりと入ったけれどさすがに後が続かない。
 ポーランドはリトアニアのものから口を離し、少しだけ思案する。
かと思うと断りもなしにリトアニアの身に付けたエプロンを探った。
「やっ、なにしてっ……!」
 身じろぎするリトアニアをものともせず、ポーランドはエプロンのポケットから肌荒れ用の保湿クリームを取り出した。
水仕事の後にと常に持ち歩いているものだ。
リトアニアは驚きに目を見張る。
「なんで、知って……」
「見てるからに決まってるし」
 さらりと返して蓋を開けると、中から白いクリームを掬い上げる。
指先で感触を確認すると、ポーランドはそれを秘所に塗りたくった。
だらしなく座った体勢で指を挿れられると当たる場所がいつもと違う。
何より体重で内壁の天井にポーランドの指を押し付ける形になってしまい、リトアニアは鳴き喘いだ。
「やっ、やだ、だめぇ……そこやぁっ」
 いやいやと首を振るけれどポーランドはやめるそぶりを見せない。
どころか再び透明な液体を溢す自身を咥え込まれてしまい、さらに声を上げる羽目になった。
「ああっ、やぁ…!」
「リト、声抑えんとエストニアが気付くかもしれんよ?」
「っ!!!」
 少しだけ口を離して指摘され、リトアニアは慌てて口を押さえる。
いま彼はどのあたりにいるだろう。
広い屋敷だ。遠くの部屋を掃除していれば聞こえやしないだろうが、ポーランドの私室のどれかにいればアウトである。
「それにラトも、今日は庭の手入れなんやろ?ここの外、すぐ庭やし」
 ポーランドの言う通り、書斎の窓の外には見事な庭園が広がっている。
部屋は二階だから姿は見えないだろうが、声だけなら届いてしまうかもしれない。
 自然とリトアニアの体がこわばる。
それをほぐすようにポーランドは指を動かした。
「っあ、ふっ……っふぅ、っ!」
 必死で声を抑えるけれど零れる吐息は十分煽情的だ。
いつもより激しく慣らされてリトアニアはびくびくと体を震わせる。
 下で尿道を抉られ、危うく達しそうになったところでポーランドの体が離れた。
離れる快楽を追い縋りそうになるが窓から射す陽に思い止まらされる。
何をするのかと思えば足元に跪かれ、スカートの奥のガーターベルトを注意深く外された。
ストッキングはそのままでガーターと下着を取り去られてしまう。
「リト、ちょっと立てる?」
「え…」
 くてんと弛緩した体のまま、ポーランドに動かされるままに体重を移動させる。
まずは両肘を目の前のデスクに突かされ、そのまま上体まで乗り上げさせられる。
「脚、ちゃんと力入れろし」
「ん…」
 浅い呼吸を繰り返しながら足を踏ん張ったところで座っていた椅子を抜かれた。
けれど後ろにひっくり返るようなことはなく、ポーランドに支えられて体重を状態に移動させられる。
「ごめんなリト、これでしか入らんし…」
 ためらいがちに囁かれてリトアニアはすぐそばにあるポーランドの顔を見つめる。
すると草色の瞳はすまなそうに笑った。
「エストは客間の掃除しとったし、ラトも見当たらんかったし、大丈夫やろ」
「大丈夫じゃないよ……」
 どうしても不安になるリトアニアをなだめるように額にキスをして、ポーランドはリトアニアの入り口に自身を宛がった。
小さい悲鳴が上がる。
そのままゆっくり、あまり無理をさせないように腰を進めていく。
「いや、おねがい……ポーランド、俺ほんとう無理っ……!」
 リトアニアの脚が疲労でがくがくと震える。
持つかなと思いながらも奥まで入れた瞬間、とうとう腰が砕けた。
ポーランドを迎え入れたままの状態で膝をつきそうなほどにリトアニアの体が落ちる。
「リト!」
 慌てて支えるけれど、自らの脚を叱咤して必死で立とうとするリトアニアがあまりに可哀想で、ポーランドはリトアニアを抱きしめてやわらかな絨毯に座り込んだ。
一瞬酷く奥まで咥え込んでしまってリトアニアは悲鳴を上げる。
「っああ!」
「ごめんな、リト」
 ポーランドは結合は保ったまま、肌触りもいい上等の絨毯にリトアニアをころんと転がした。
左半身を絨毯につくような向きに倒されたリトアニアは首をひねり、涙に滲んだ瞳でポーランドを見上げる。
「ポーランド駄目……絨毯が、汚れちゃう……」
「そんなん掃除すりゃいいし…だいたい汚れないようにするし」
 言いながらリトアニアの右足を肩まで抱えあげ、ポーランドはぐ、と挿入しなおした。
ぺたりと座り込んだ状態では前後に動くこともままならない。
代わりにそのまま上下にこすりつけると中がきゅうっと締まった。
足を高く抱えているから長いスカートは捲くれ上がり、中の様子がよく見える。
リトアニアの左足はだらりと脱力していて、自然大きく開かれた足の間ではリトアニアのものが先走りをとめどなく溢れさせている。
「あっ、や、やだポーランド、変、なんか変っ……!」
 横向きに挿入しているせいか、中を突かれる感触がいつもとは違う。
前立腺を掠めるのはわかるけれど決定的な刺激はなくて物足りないとすら感じてしまう。
「何、どう変なんっ、」
 体を揺すりながら上体を倒してできるだけ顔を寄せると、抱えあげた足が曲げられて挿入が深くなる。
一瞬悲鳴を上げたけれど、それでもリトアニアは何とか答えようとした。
「っふ……だって、いつもとちがっ……もっと、もっと……ぅああっ…」
「もっと、何?」
「っうう……あっは、やだぁ…」
 言えないと顔を伏せるリトアニアの中をぐりぐりと抉る。
意地悪だとかでなくて割と純粋にリトアニアの求めていることがわからず、ポーランドは答えざるを得ないよう追い詰めてゆく。
 腰を固定して軽く前後に揺さぶりながら、しとどに濡れた前をくりくりと弄ってやる。
「なぁ、もっと、の続きは?」
 しつこく聞き続けるとストッキングに包まれた足が震え、顔は伏せたままで泣きそうな声で答えが返ってきた。
「っ、もっと、きもちいいとこ……いつものとこ、こすってぇ……っ!」
 呂律の回らない調子で哀願され、ポーランドの頬がかっと熱くなる。
リトアニアは顔を俯けているから紅潮したうなじから肩のラインがあらわになっていて、つい相手の体にかかる負担も忘れて夢中で吸い付いた。
「あぁっ!」
 体を押し付けられて今までよりもずっと奥を抉られ、リトアニアはまた鳴いた。
無意識にポーランドの動きに合わせて自分のいいところを擦り付ける。
するとポーランドはその意図を汲み取ったのか中を抉る合間にそこばかり何度も刺激した。
「あ、やぁん…はふ、も、そこばっかぁ…!」
「リトは欲しいん、それとも嫌なん、どっちやし……っ」
 奥へ奥へと腰を揺すりながら息も荒く呟くと、リトアニアはやっと顔を上げて、涙に滲んだ瞳でポーランドを見上げた。
「ほしい、もっと……お願いっ…」
 ねだられるままに何度も体を揺さぶって、どうにも動きづらい体勢の中互いに快楽を追いかけた。
床にぺたんと座ったポーランドは浅いピストンを繰り返しながらリトアニアの体に触れ、絨毯にすがりついたリトアニアは強く締め付けながら腰を擦り付け、上体をひねってポーランドを見つめた。
「リト、いつもよりキツっ……」
「やだっ…だって、ほしいから、あぁっ」
 もっともっとと互いを求めて、いつもの激しさと比べれば緩慢な動きだけれど感覚を共有する。
そのうち急にリトアニアの体が痙攣を始めて、今にも達しそうなのが知れた。
「ああっ…も、俺…だめ、だめぇっ…!」
 リトアニアのものがびくんと脈打って吐き出す前に、ポーランドはスカートの裾を引き寄せると裏地で受け止めさせた。
ほぼ同時にポーランドもリトアニアの中に欲を注ぎ込む。
「うあっ……!」
 声を押し殺して最後まで注いで、ポーランドはリトアニアに折り重なるようにして上体を倒した。
二人分の荒い呼吸が静かな書斎にひっそりと響く。
「リト……ごめんな、平気?」
「うん…でも、立てないかも……仕事が……」
 この後に及んで仕事の心配をするリトアニアの愚直さがもういっそ愛しくて、ポーランドはぐしゃぐしゃとリトアニアの癖毛を撫でた。
「今日はもう休みでいいし、そんなん気にせんでいいから!」
「ん……でも、部屋……」
 相当消耗しているのか、リトアニアの語尾が朦朧と消えかかる。
「掃除が」と続くのか「戻りたい」と続くのかわからなかったけれど勝手に後者だと解釈することにした。
「俺が連れてってやるし、疲れとるなら寝とき」
「だけど、部屋………」
 言いかけて落ちたリトアニアの中から自身をそっと抜き、注いだものが絨毯にこぼれないようスカートで覆った。
ポーランドはゆっくり立ち上がると苦労してリトアニアの体をワーキングチェアに座らせる。
もちろん見える部分は絨毯もチェアも服も汚さないよう細心の注意を払ったから相当の時間をかけてしまったが。
 自分も身なりを整えると、ポーランドは少なくとも見た目はただワーキングチェアにもたれて眠っているように見えるリトアニアの額にキスを落とした。
「リト、好きやし」
 届かない言葉をささやいて、とりあえずリトアニアの部屋へ運ぼうとチェアを押しはじめる。
尋常でないスカートの中身の処理は、今は考えないことにしておく。



白昼堂々はわたくしの執筆態度です。モバイルノートでちまちま書いておりました。
…このシリーズはリトアニアが淫乱になりがちです。
対面座位は前回やったので何か別の体位を、と模索した結果がこれです。いわゆる四十八手だと「巣篭もり」に近いイメージ。
横向きで上体ひねってポーランドを見上げるリトアニアがかきたくなったのが決め手。





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